隣 保 班 員

   成東町寺崎地区の隣保班員の活動。

・お 葬 式 始 末 記・

千葉県成東町寺崎に引越してから1年半ほどたちます。     喪主宅全景喪主宅全景
今年2月青年館において、おびしゃ、と言う集会に初めて参加して、区長以下各役員の氏名が発表され、私は日の出組合隣保班長に指名されました。例の如く事前に旧日の出組合長より、打ち合わせ通り、と言うことですが。今年は、隣保班が大忙しです。去年は、部落内のお葬式が無かったのに、10月で、すでに5件です。葬儀形態は、自宅葬2件、セレモニ−利用3件です。その前に、先ず隣保班の役割についてお話します。成東町寺崎区の構成は、成東町寺崎居住の81戸により成り、区内をJR総武線線路により2つに分け、岡地区の、八千代第1組合13戸、八千代第2組合12戸、八千代第3組合12戸、と沖地区の寺崎組合7戸、一二三組合10戸、鶴舞組合15戸、日の出組合12戸、で構成されています。役員名としては、区長1人。防犯役員1人。神社役員(八幡神社=責任総代、宮元、総代各1名)(妙見神社=責任総代、宮元、総代各1名)。光明寺総代2名。月蔵寺総代1名。法蓮寺総代2名。農業関係では、両総総代1名。工区長1名。副工区長1名。総代1名。会計1名。機場役員3名。ヘリ防災役員1名。水利委員4名。土地改良理事1名。野菜組合長1名。農協連絡委員0名。農協運営委員1名。農協総代1名。評価委員0名。共済総代1名。そのた、母子福祉委員1名。保険推進委員1名。福祉推進委員2名。交通安全協会役員1名。また、各組合においては、それぞれ組合長1名。協議委員1名。工区委員1名。共済委員、寺崎、日の出以外各1名。神社役員、寺崎以外各1名。隣保班、一二三以外各1名です。また、農家組合の組割りと、隣保班の組割り名簿には、若干の差異があります。職種は専業農家、兼業農家、自営業、酪農家、植木業、商店、サラリ−マン、失業者などで、土地面積の割合は、農地が殆どを占めています。従って旧来のお葬式を希望される喪主もおり、お葬式の形態もお寺さんなどによっても、それぞれ多少の違いがあります。お葬式に限って隣保班の役割は、喪主の仕事と重複しない範囲の作業全般の手配を行います。それでは、隣保班の役割を自宅葬により、紹介します。                      男手手伝い終了により1服中
男手手伝い平成15年某月某日、鶴舞組合の隣保班長より午前中電話が入り、某氏実父某さんが、亡くなりになり、まず、連絡の一報です。打ち合わせは明日、また連絡します、と電話が有りました。私は妻と買い物に行こうと思い、準備しているところに、また電話がはいり、これから喪主宅に行くので、鶴舞組合の隣保班長宅まできてくれ、の連絡です。買い物を中止して、車を走らせました。実を言うと3日後に神奈川県愛川町にキャンプに行く予定があり、ホットしたしだいでした。5月のときは、お葬式すべてが終了したのが午後8時で、それから、同一場所の夜戦参加で高速を飛ばしましたが、到着が12時、0時ですでに終了していた事があったからです。隣保班長宅に到着して、概略を聞き喪主宅に向かいました。喪主宅にて、お悔やみの挨拶とお焼香をすませて、早速お葬式の段取りの打ち合わせです。喪主から自宅葬にするので、宜しくおねがいします。さあ大変、セレモニイセンタ−で葬式を実施して頂けると、隣保班は仕事の大半がセレモニイセンタ−にて計画実施していただけるのですが、仕方有りません。葬儀を出す組合の組合員全家庭を廻り男と女手各1名のを申し込まねばなりません。通常3名の隣保班で行いますが、当日、寺崎組の1名が仕事で参加されず、2名でお手伝いの出席方の依頼に訪問する事にしました。事前に手元にある名簿が農家組合名簿なので、隣保班用に訂正してからです。私は、去年6月に越してきて、顔も家も分かりません。但し、今回は、自分の組の葬式ではないので、隣の当番組の隣保班長について、誰がお亡くなりになったかと、葬儀の予定、明日のお手伝いの集合時間とその時作業分担などを伝えて歩きました。2,3の都合の悪い組合員がいましたが、14戸に通知し、その日は解散となりました。翌日所定の時刻に隣保班3名と、お手伝いの男女が集合しました。   契約講隣保班打合風景隣保班打ち合わせ風景
全員が、集合したところで、先ず集合のお礼を述べ、今日と明日のおおまかな予定を話し、焼香の後、女手は台所に行っていただき。男手は、喪主を入れて、各人の都合にあわせて、担当者の選定にはいりました。仏様にお使いする湯灌人2名は喪主宅の両隣が行うので、自動的にきまります。次に墓堀人の選定です、一応体力のある人3名選び、次いで棺上げ人4名、最後に隣保班3名の受付に受付兼務の穴見舞2名を選んで、記録と各人にそれぞれの担当を確認してもらいました。喪主が農家ということもあって、葬儀社は農協葬儀部です。祭壇と受付、待合い場所などの設営も完了し、一応準備OKです。次に葬儀に使う材料の調達と作成です。最初に、地区内にある八幡神社の左縄の材料の調達ですが、農家だけに稲藁は大抵どこの農家もあるので、左注連縄を作成して、神社入口の鳥居に布設します。次に六道廻り用竹を4本調達し、色紙による飾りを付け準備します、同時に木にて梵天1本を作成し墓堀人に持たせます。また、お祓い用の笹竹1本に御幣を取り付け準備します。これら作成に必要な道具、鶴嘴、シャベル、鉈、鎌、鋸、軍手、タオル、飾り用紙、今回は仮埋葬のため、ポリバケツ1個、の用意です。必要により、駐車場用、案内用手印張り紙に喪主家を書き、要所に張り出します。最後にこれらの役割と、役割人の氏名を玄関脇に張り出します。これらすべて隣保班の指示により男手で行われます。そのほか、古いしきたり、廃止された故事、宗派による違い、喪主家の要望など、違いがあるようです。
出来上がった飾りを持って、穴掘り人は墓場に行き今回は、仮埋葬と言う事で、ポリバケツを埋める大きさの穴を掘りますが、最近、土葬は禁止されているので、墓石下の骨壺出し入れ口を利用するため、実際に墓穴を掘ることがありませんので、墓堀後の風呂の準備、替えのふんどしの準備はありません。現在は墓場の清掃と飾りの準備に変わっているようです。穴見舞人は、墓穴の進捗状況把握と葬儀進行の状況を伝え、同時にご苦労さん用の日本酒1本と、つまみを持参し、労をねぎらいます。棺上げ人は、出棺時にお棺の四隅をもって、霊柩車に搬入する役目で、焼き場、墓場での作業はありません。受付人は、喪主よりの前渡金平均20万円を受け取り、女手の料理費用全般の支出と買い出し、領収書の保管。霊柩車(1万円)とマイクロバス(5千円)の運転手への心付け、買い出し、花環、御供物などの氏名、個数の確認と御供物帳への記入、連絡等に使用した、個人所有の自家用車の車代(千円)など、のし袋に入れ、準備し、必要の都度、手渡します。また、会葬者の会葬者名簿、御供物帳、香典帳の清書、香典料の集計など、通夜、告別式に分け、通夜終了後には内容を確認し、一時喪主にあずけ、告別式終了後は、前渡金の使徒と、香典の金額をそれぞれ集計して、会葬者名簿、御供物帳、香典帳と香典の現金、前渡金帳と残現金を合わせ、喪主に確認後、引渡し、使用した自動車のお祓いをして、一連の作業が終わります。なお、神社に布設した、左縄は湯灌人により取り外され、燃やされます。最後に祭壇前にてご親戚等が帰宅後、慰労会が行われ、その席でお手伝い全員に湯灌人による、お祓いが行われ、飲酒、飲食の後、祭壇に飾ってあった供物などを等分にして、働き手1軒ごと分配し解散し隣保班もお疲れさま。来年3月の任期まで、お葬式の無いようにと言いながら、喪主宅を後にしました。
               
  
                 筆者   東山春美

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