3. A D S L

    非対称通信方式の電話局内の工事。

・A D S L の 開 通・

過去の,電話線を利用した周波数帯域は、通常4Kヘルツまで、符号で9600ビットと考えられていました。

高いアナログ周波数は2本の銅線間の固有周波数帯域が低いので通過出来ません。また、電話の場合4Kヘルツでも長い距離を2本
の銅線で伝わっていくと、距離にして7000米が限界でした。いわゆる通話品質を満足しない状態になります。(電話機で測定値-7db)
符号でも9600ビット=9.6Kビットが電話線に通す限界でした。デジタル技術が進歩して、電話で使う4Kヘルツの1ヘルツをとりだすと、
+側と−側それぞれ、8分割します、デジタル化は、+側で8ビット、−側で8ビット。1ヘルツを16ビットで表します。
従って4000ヘルツ*16ビット=64000ビット=64Kビット、これがISDN64の根拠となり、+−の1ビットを6万4千個で1組とし、
4Kヘルツと同等として、通話して貰うようになっているのです。現在の電話交換機は、デジタル化されており、汎用交換機はD70
デジタル電話交換機です。最近の新ノ−ド電話交換機も基本は同じですただ、通常の家庭用電話機はアナログ方式のため、電話交換機の直前に
A/D(アナログ/デジタル)変換をしています。ISDN交換機には、直接家庭用デジタル電話機を設置するか、電話機の近くにモデムを設置し、
モデムにより家庭用アナログ電話機はA/D変換をし、パソコンなどは、直接交換機に接続するようにしています。このように、12Mとか24Mなどは
単位でみると、12000Kビットと24000Kビットとなり、1250倍と2500倍で、とても電話線を利用する事は出来ません。
これを無理に利用する技術が開発されて現在に至っています。なぜ無理にかと言うと額面どうりの24Mだと、1000米位で、それより距離
があると急激に減衰することです。私の家は、電話局から5000米の距離があり、12Mを契約していますが、
降りでも500Kビットの早さにしかありません。24Mを契約しても同様でしょう。

本題にもどして。電話局内のMDFが他電気通信事業者に開放され、先行工事として、MDF(加入者線配線盤)に、アッカ−ネットワ−ク、BBネット、
東京メタリック、フレッツ、ニフテイ、ビッグロ−ブ等の会社がMDFに端子板を設け、各社のプロバイダ−までのケ−ブル配線を完了させていました。
私達の所属していた南東京支店のエリアは、世田谷区、目黒区、品川区と会社よりも、住宅比率が高く、平成14年になると、ADSLの注文が
殺到しました。最初の注文3000件、その後、毎日1局約100件です。パソコンを10台増設して営業からの注文メ−ルを1件ごとプリントして、
傘下26電話局のMDFジャンパ−施工の根拠と開通試験確認用に使用しました。通常ADSLを開通させるには、電話局内のMDFにて、指定されたプロバイダ−の
スプリッタ番号と加入者用線路の線番とをジャンパ−線で繋ぐ必要があり、施工は各傘下26電話局のMDFジャンパ−施工担当が事前工事で行いました。
日常の作業に加えての仕事で、それは忙しい思いをしました。特に毎日1局約100本近いMDFジャンパ−施工を手書きでFAXで送る事は、
大変な負担です。開通確認試験も、切り替え前と切り替え後の電話線の絶縁容量試験の変化を読み取り試験部門としては判定します。ただ、なにぶんにも
件数が多いので、ある日、VB6でMDFジャンパ−施工票のホ−マットを作り、パソコン処理で印刷しまた、その時に出来る、FDにより、試験の自動化も同時
しようと考えプログラムを作成しました。

これによりいくらか楽になったかな、と思ったとき、希望退職の受付が開始されて、希望退職を申し込み平成15年4月30日い退職したしだいです。
              筆者   東山春美
 

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